「下北沢国際人形劇祭」開催へ 世界最前線のディープな人形劇がザ・スズナリに集結

下北沢のスズナリなど駅周辺で2024年2月21日(水)〜27日(火)、世界の人形劇作品が集結する「第一回 下北沢国際人形劇祭」が開催されます。世界6ヶ国の気鋭アーティストによる人形劇上演のほか、ワークショップや子ども向け無料上演会なども実施します。

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下北沢に世界7ヶ国の人形劇作品が集結

2月21日(水)〜27日(火)の期間中、下北沢で「第一回 下北沢国際人形劇祭」が開催されます。

第一回 下北沢国際人形劇祭のフライヤービジュアル

メイン会場となるザ・スズナリでは、世界各国の人形劇シーンを代表する若手海外アーティスト8組が、芸術性に富んだ先鋭的な作品を上演。アイルランド・イギリス・スロヴェニア・チェコ・ドイツ・アメリカの8作品が上演されます。

『The Table』Blind Summit(イギリス)
 『犬の生活』 Teatro Matita(スロヴェニア)

作品内容は、本格的な人形演技のものから俳優と人形が共演するもの、物を登場人物として演じるオブジェクトシアターなど実にさまざま。作品の半分はノンバーバル(セリフなし)ですが、台詞がある作品も日本語字幕が表示されます。上演時間についても20分〜70分と作品によって変わります。

『KAR』 DAMUZA + Fekete Seretlek(チェコ/スロヴェニア)
『道化恐怖症』 Opposable Thumb Theatre(イギリス)

本フェスティバルでは人形劇の存在を「何世紀も前から社会や政治に対するラディカルなメッセージを伝える媒体」と説明。上演作品についても、いわゆるファンタジー的な人形劇ではなく、かなり芸術性の高いパンクでディープな作品がラインナップされています。

ザ・スズナリの上演作品ラインナップ

メイン会場のザ・スズナリ

メイン会場となるザ・スズナリで上演される8作品をご紹介。

『犬の生活』 Teatro Matita(スロヴェニア)

 
  • 日時:2/21(水) 17:30~/20:00~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:60分
  • 言語:ほぼノンバーバル、若干の英語あり(日本語字幕)
  • 推奨年齢:15歳以上

作品紹介

チャペック『犬の生活』を題材にしたオブジェクトシアター。人間にシッポを踏まれるたびに、ダーシェンカは「犬の生」というものを実感していた。第二次大戦前、イデオロギーの台頭に立ち向かった人々が得たのもまさしく「犬の生」だった。ダーシェンカの生と、チャペックの生が交錯する。小さなもの、傷つきやすいものに対する詩的態度と、真実の名の下に幾度も独断を押しつけるメディアの喧騒との対比を、オブジェクトシアターならではの手法で描き出す。

アーティスト紹介| Teatro Matita(スロヴェニア)

スロヴェニアの首都リュブリャナの公立人形劇場の首席演出家でありながら、ソロのパフォーマーやミュージシャンとしても活躍。オブジェクトと音楽の取り合わせの巧みさに定評。東欧圏を代表する若手人形劇人の一人。

アーティスト情報:https://www.matijasolce.com

『STICKMAN(棒人間)』 Darragh McLoughlin(アイルランド)

 
  • 日時:2/22(木) 16:00~/19:00~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:45分
  • 言語:ノンバーバル(演出上の日本語・英語ディスプレイ表示あり)
  • 推奨年齢:10歳以上

作品紹介

ステージには一人の男と一本の棒が置かれている。背景には大きなフラットスクリーンTBV。画面には「男 / 棒」と表示されている。まるで、人間が目の前の舞台をどう見るべきか、スクリーンがいちいち指示しているかのようだ。時間とともに男と棒は形を変え、それぞれある種の独立性を得るようになる。その間、常にスクリーンは私たちに何を見るべきか教えてくれるが、はたして私たちは、それ以外のものを見ることができるだろうか。

アーティスト紹介| Darragh McLoughlin(アイルランド)

フィジカルシアターやニューサーカスのバックグラウンドを持つが、近年人形劇界でも高い注目を集めている、新進気鋭のアーティスト。オブジェクトについての優れたコンセプトと、それを具現化するだけの身体的技術がある。

アーティスト情報:http://squareheadproductions.com

『Kašpárek and Co.』Divadlo Alfa(チェコ)

 
  • 日時:2/23(金祝) 15:00~/19:30~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:40分
  • 言語:ノンバーバル
  • 推奨年齢:5歳以上
  • 『Boxed』と同時上演

作品紹介

カシュパーレクにとっても仕事と育児の両立は簡単ではない。しかも家には死神もいて……。チェコを代表する公立人形劇場、Divadlo Alfaによる2023年の新作。主人公「カシュパーレク」は、イタリアのプルチネッラに端を発し、欧州が共通して持つ民衆人形劇のキャラクター。民衆人形遣いの熟練芸を生かしつつも、主題と演出はあくまで現代的。現代の家庭に共通する小さな悩みとおかしみを描き出した、子供から大人まで楽しめる作品。

アーティスト紹介| Divadlo Alfa(チェコ)

チェコは公立人形劇場が13もあるが、その中でも三指に入る、チェコ人形劇界のトッププレイヤー。東欧圏の伝統人形劇の技法的慣習を保持しつつ、独自のポエジーとユーモアとデザインを備えた現代的作品を作る、という離れ業をやってのけている。

アーティスト情報:http://www.divadloalfa.cz/index.php/cz/

『Boxed』Ariel Doron(ドイツ)

 
  • 日時:2/23(金祝) 15:00~/19:30~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:20分
  • 言語:ノンバーバル
  • 推奨年齢:10歳以上
  • 『Kašpárek and Co.』と同時上演

作品紹介

その卓越した技術と鋭い社会性によって人形劇界の若手スター的存在であるAriel Doronの最新作。パンデミックの真っ最中に制作され、オンライン版と舞台版の両方とも、ヨーロッパ中の人形劇祭を席巻した。ある男が自宅隔離中、Amazon.comから、いつものように段ボール箱が届く。商品名は「友達」。箱を開けるとリアルな人間の手の形をしたオブジェクトが入っている。孤独な主人公は、心通うオブジェクトの出現を喜び、「友達」として愛でるが、次第にその予測不能の暴走に巻き込まれていく。

アーティスト紹介| Ariel Doron(ドイツ)

イスラエル版エルモ役に弱冠20歳で抜擢された後、マペット等既存の人形に留まらずあらゆる玩具・オブジェクトの動き・ふるまいを独自に探究。ベルギーのオブジェクトシアターの第一人者Agnès Limbos等に師事。現代オブジェクトシアターを代表する一人。

アーティスト情報:http://arieldoron.com

『KAR』DAMUZA + Fekete Seretlek(チェコ/スロヴェニア)

 
  • 日時:2/24(土) 17:00~/20:00~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:60分
  • 言語:英語・チェコ語(日本語字幕)
  • 推奨年齢:15歳以上

作品紹介

トルストイ『アンナ・カレーニナ』をモチーフにしたオブジェクトシアター。葬儀の晩餐会へ訪れた弔問客(=観客)にはウォッカが振る舞われる。グラスの音がメロディーに変わり、ティーカップはロシア宮廷舞踊を踊りはじめ、気がつけば観客はアンナ・ カレーニナの物語の登場人物になっている。アコーディオン、パーカッション、バイオリン、チェロ、コントラバスと歌声にのせて、机上のオブジェクトの予想もつかない動き・振る舞いが、故人の人生を次第に明かしていく。

アーティスト紹介| DAMUZA(チェコ/スロヴェニア)

DAMUZAは、プラハ芸術アカデミー出身者に創造の場を提供するプロダクション・ユニット。アカデミー出身の著名芸術家と、若い卒業生とを結びつけ、若い世代にアピールする作品を作り続けている。今回は楽団 Fekete Seretlek(東欧圏を代表する民俗音楽祭「Colours of Ostrava」受賞者)と共に出演。

アーティスト情報:https://damuza.cz/http://feketeseretlek.cz/

『The Table』Blind Summit(イギリス)

 
  • 日時:2/25(日)16:00~/20:00~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:70分
  • 言語:英語(日本語字幕)
  • 推奨年齢:15歳以上

作品紹介

文楽に影響を受けたという三人遣い人形(ただし段ボール製)一体と、何の変哲も無いテーブル一台。舞台にあるのはそれだけ、しかし史上屈指の傑作として現代人形劇界を席巻した有名作品。英語圏の人形劇人でこの作品を知らなかったらモグリとされる。Tommy CooperとEddie Izzardを足して二で割ったような哲学者兼コメディアンである主演の人形「モーセ」は、「これまで人間が地球上で目にした中で最も面白い段ボールの塊」だとの評あり。「現代人形劇トップ5のひとつ」—— Sunday Telegraph

アーティスト紹介| Blind Summit(イギリス)

2012年ロンドン五輪開会式で活躍した巨大人形を製作・操作したり、イギリス国立歌劇場やニューヨークMETなどから委嘱を受けて人形遣いとして出演したり、イギリスきっての著名人形劇団。人形と人形遣いのインタラクションについて、観客の先入見を打ち破る驚きの作品を作り続けている。

アーティスト情報:https://www.blindsummit.com

『REUNION』 MEHEDAHA(チェコ)

 
  • 日時:2/26(月)17:00~/20:00~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:50分
  • 言語:ノンバーバル
  • 推奨年齢:15歳以上

作品紹介

チェコの伝説的なオルタナティヴ・シアターグループ「MEHEDAHA」が、このフェスティバルのために30年ぶりに再結成! リーダーのペトル・ニクルによれば、この作品は「非言語的な夢幻劇」あるいは「夢のようなタブロー」。舞台の後方ではあらゆるオブジェクトが登場するマリオネットが夢幻へと誘う一方、前方では小さなロボットの自律的動きが常に知覚を刺激する。「人形劇」の二つの極を同時に呈示しつつ、それぞれの限界について再考を促す。

アーティスト紹介| MEHEDAHA(チェコ)

チェコを代表する現代美術家、ペトル・ニクル(Petr Nikl, 1960-)を中心とした芸術家集団。民主化する前の1985年に結成され、現代に至るチェコのオルタナティヴ・シアター・シーンに多大な影響を与えた。下北沢国際人形劇祭のために30年ぶりに再結成される。

アーティスト情報:http://www.tvrdohlavi.cz/petr_nikl.html

『道化恐怖症』 Opposable Thumb Theatre(イギリス)

 
  • 日時:2/27(火)15:00~/18:30~
  • 会場:ザ・スズナリ
  • 時間:75分
  • 言語:英語(日本語字幕)
  • 推奨年齢:15歳以上

作品紹介

ヨーロッパ中どこでも観客を恐怖と爆笑の渦に陥れたヒット作品。現代的で優れた作品を数多く生み出している、ノルトラント・ヴィジュアル・シアター(ノルウェー)によるプロデュース。高級料理からチェーンソーまであらゆるものが段ボールでできた虚構世界から、二人の道化がなんとか抜け出そうともがくが、邪悪な人形「ポコ」に捕まってしまう。逃げ出すには、間抜けな観客をだまして身代わりにするしかない・・・・・・。人形を操りながら人形に操られる、それを可視化する技術が卓越している。人形劇史上屈指のスラップスティック・ホラー・コメディ。

アーティスト紹介| Opposable Thumb Theatre(イギリス)

パンク的、破壊的な人形劇カンパニー。高い人形劇操演のテクニックのみならず、クラウンやフィジカル・シアターの技術もある。「作品の中心にいるのは、ウィットに富み、傷つきやすさに満ちた、寛大で熟練した2人のパフォーマーだ。見ていて飽きない二人だ。」—— Total Theatre

アーティスト情報:https://www.opposablethumbtheatre.com/

下北線路街 空き地では子ども向け無料公演も

下北線路街 空き地では、2/25(日)に子ども向け無料人形劇「カシュパーレクさんとハチャメチャかぞく」を上演します。

「カシュパーレクさんとハチャメチャかぞく」イメージ(公式HPより引用)

空き地の〈ドカン〉のまわりでチェコの楽しい人形劇を楽しめます。推奨年齢は5歳以上、上演時間は35分です。完全屋外なので防寒対策もお忘れなく。

ワークショップやトークセッションも開催

下北線路街 空き地や下北沢アレイホールでは、音楽を奏で街を練り歩く「トラベルムジカ」、朝ご飯を食べながらアーティストやスタッフと語り合える「BREAKFAST PUPPET CLUB」、人形劇にまつわる有識者のトークセッション、フェスティバルセンター・オフィシャルBARなど多彩なプログラムを用意。

フェスティバルオフィシャルBarとしてジャマイカ料理「アマラブ」が出張オープン(公式HPより引用)

人形劇の新しさを知る7日間となる下北沢国際人形劇祭。人形劇ファンもそうでない人も、ぜひ公式HPをチェックしてみてください。

第一回 下北沢国際人形劇祭|チケット情報

 

メイン会場となるザ・スズナリの演目観劇はチケットが必要です。チケット料金は1演目につき全席自由の一般4200円、25歳以下2000円。全演目を1回ずつ観劇(席順優先)できるパトロネス・パスも35000円で用意しています。

チケット詳細・購入は公式HPをご確認ください。

 

第一回 下北沢国際人形劇祭|開催概要

開催期間2024年2月21日 (水) ~27日 (火)
開催場所ザ・スズナリ(東京都世田谷区北沢1-45-15)、下北沢アレイホール、下北線路街 空き地、BONUS TRACKほか
MAP
HP公式HP
Instagram@sipf_tokyo
X@sipftokyo
  • 第34回下北沢演劇祭参加作品
  • 主催:特定非営利活動法人 Deku Art Forum
  • 共催:ザ・スズナリ、下北沢アレイホール
  • 後援:駐日スロヴェニア共和国大使館、NPO法人日本ウニマ(国際人形劇連盟)
  • 助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】、文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流支援事業))|独立行政法人日本芸術文化振興会、 公益財団法人関西・大阪21世紀協会日本万国博覧会記念基金事業、EU・ジャパンフェスト日本委員会、Culture Ireland、Nordland Visual Theatre、 ゲーテ・インスティトゥート
  • 協力:チェコセンター東京

参考リンク:ニュースリリース

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