名だたるクリエイターたちが既存の公共トイレをリニューアルさせ、誰もが快適に使える公共トイレを渋谷区内17カ所に設置する「THE TOKYO TOILET」プロジェクト。
本プロジェクト10カ所目となる、クリエイティブディレクター・佐藤可士和さんがデザインを手がけた公共トイレが渋谷区・恵比寿駅西口交番横に完成、7月15日（木）に一般利用を開始しました！
佐藤可士和さんによる「超整理」されたトイレやいかに？一般利用開始の初日に実際に行って見てきました。
トイレの革新！「THE TOKYO TOILET」プロジェクト
ご機嫌いかがですか？シブきち（@ShibukichiNet）です。
トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴…ですが、多くの公共トイレが「暗い」「汚い」「臭い」「怖い」といった理由で利用者が限られている状態に。
そんななか日本財団では、既存のトイレを性別、年齢、障がいを問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレへとリニューアルさせ、2021年秋までに渋谷区内17カ所に設置する「THE TOKYO TOILET」プロジェクトが進められています！
これまでも隈研吾さん（建築家）、安藤忠雄さん（建築家）をはじめ9名の名だたるクリエイターたちが渋谷区のトイレをリニューアルデザイン。佐藤可士和さんのデザインした公共トイレは「THE TOKYO TOILET」プロジェクト10ヶ所目のトイレです。
建築家・坂茂氏がデザインを手がけた「透ける外壁のトイレ」など、これまでのトイレのイメージを一変させる、斬新で利用しやすいデザインが国内外を問わず話題となっています。
>>>【関連記事】渋谷に隈研吾さんデザイン「トイレの村」完成！「THE TOKYO TOILET プロジェクト」9番目のトイレ
佐藤可士和さんデザインの「白のトイレ」
今回、佐藤可士和さんがデザインした公共トイレは恵比寿駅西口すぐの交番横にオープン。
その名も「WHITE」と名付けられた真っ白で四角いトイレは、「清潔」「安心」をテーマにトイレとして「当たり前の配慮」にひとつひとつ向き合ってデザインされたのだとか。
人通りの多い駅前だからこそ極端に目立ちすぎないよう、入りやすく使いやすく、そして一歩引いた清潔な佇まいに。「恵比寿駅を利用する人々の気持ちが明るく清々しくなるように」との想いが込められています。
それにしても徹底した水平垂直！定規を当てたような直角デザインが清潔感を引き立てています。
正直な感想を言うとかなり目立ってる…のですが、余計なものを削ぎ落としたデザインで不思議と主張を感じさせません。
単体では存在感があるのに風景としては調和している…う〜ん、驚きです。
あえて難を言えば…超整理されすぎて入り口がわからない！いや、シンプルすぎてトイレかすらわからないかも。
機能・用途別の5つの個室
トイレ棟を囲むアルミルーバーは絶妙な隙間が空いていて、中に人が通るとうっすら透けて見える感じです。下の方は足元の高さまで抜けているので閉鎖感がなく明るい雰囲気。
後ろの入り口から入ると、中には5つの個室がありいずれも性別関係なく利用可能。
ベビーベッド・ベビーチェア・オストメイト併設の個室と、車いす対応・介助ベッド併設の個室がそれぞれひとつずつあります。
利用中は、各室の入口に備え付けの赤い照明が点く仕組みです。
柔らかい印象のピクトデザインも
佐藤可士和さんは「THE TOKYO TOILET」のすべてのトイレに使われるピクトサインもデザインしています。
制作に当たっては「JIS規格を参考に、エレメントを整理しシンプルにしていく」ことで、どんなデザインのトイレにも合うようにしたそう。
視認性の良さに加え「ひとつひとつのパーツの角を丸くすることで、利用者に柔らかい印象を与えられるようデザインした」とのことです。
佐藤可士和さんのコメント
本トイレをデザインした佐藤可士和さんは、コンセプトやデザインワークについて以下のように話しています。
「清潔・安心・調和」。多様性を受け入れる社会の実現を目的に実施された「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの参加にあたっては、公共のトイレに求められる“あたりまえのこと”をコンセプトとして臨みました。
今回のプロジェクトは新築ですが、街中に存在する多くの公共トイレが「清潔・安心・調和」を獲得できるようなリノベーションの可能性も視野に入れながら考察しています。本プロジェクトのさまざまなデザイン案のトイレと共に、東京の公共空間の在り方を考えていくきっかけになることを願っています。
佐藤可士和さんのプロフィール
クリエイティブディレクター／SAMURAI代表
主な仕事に、国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロのグローバルブランド戦略、カップヌードルミュージアムのトータルプロデュースなど。多摩美術大学客員教授。著書「佐藤可士和の超整理術」（日本経済新聞出版社）ほか。2021年2月に新国立美術館で「佐藤可士和展」開催。
夜に浮かぶ「白のトイレ」
佐藤可士和さんデザインのトイレ「WHITE」は、昼と夜でその表情を変えます。
昼は純白の清潔感あふれる佇まいですが、夜は照明が灯り一変してエレガントな雰囲気に。
もちろん中も明るく安心。駅前で交番も横にあるのでそこそこ安心感はあるのですが、夜のトイレを感じさせない明るさと清潔感なので「トイレをキレイに使おう」という気にさせられます。
とにかく明るいので駅前も華やかに！どちらかというと夜の方が目立っていました。
今後も斬新なトイレが登場！
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトでは、渋谷区17ヵ所のトイレ設置に向け、2021年にあと7ヵ所のトイレをオープンする予定です。
気になる7ヵ所のトイレを手がけるクリエイターは…
- 小林純子さん（建築家・日本トイレ建築の第一人者）
- マイルス・ ペニントンさん（東京大学教授 ）
東京大学DLXデザインラボ - 佐藤カズーさん（クリエイティブ・ディレクター）
Disruption Lab Team - 藤本壮介さん（建築家）
- 伊東豊雄さん（建築家）
- マーク・ニューソンさん（プロダクトデザイナー）
- 後智仁さん（クリエイティブ・ディレクター）
そうそうたるクリエイター陣！
渋谷区は世界に誇るトイレシティになっていきそうです。
>【関連記事】渋谷に「手を使わないトイレ」登場！佐藤カズー氏デザイン「THE TOKYO TOILET」12ヶ所目
>>>THE TOKYO TOILETプロジェクト公式サイト
恵比寿駅西口公衆トイレ「WHITE」の概要
| タイトル | WHITE |
| 所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南 1-5-8 |
| MAP | |
| アクセス | 「恵比寿駅」徒歩10秒 |
| HP | THE TOKYO TOILET 公式HP |
| THE TOKYO TOILET（@thetokyotoilet） |
恵比寿駅西口に登場した佐藤可士和さんデザインの公共トイレ、いかがでしたか？
白くて、四角くて、ムダがない…シンプルすぎるデザインに感化され、帰って部屋の片付けをしてしまいました。
それでは今回はこのへんで。ご覧いただきありがとうございました！
