世界で活躍する建築家・アーティストが個性あふれる「パビリオン」を設計し、新国立競技場を中心に渋谷など都内9ヵ所に設置する「パビリオン・トウキョウ2021」が2021年7月1日(木)〜9月5日(日)に開催されます。
「自由で新しい都市のランドスケープを提案する世界初の試み」という本プロジェクト。注目パビリオンのひとつ、渋谷にある草間彌生『オブリタレーションルーム』に行ってきました!
参加者が丸いシールをペタペタと貼っていくインスタレーション、9月の会期終盤には…スゴいことになりそうです。
9つの「パビリオン」が出現!
ご機嫌いかがですか?シブきち(@ShibukichiNet)です。
東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京が主催する「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」のひとつとして開催されている「パビリオン・トウキョウ2021」。
名だたるクリエイターが独自の発想で手がけた「パビリオン」が、新国立競技場を中心に渋谷など都内9ヵ所に出現中です!
「パビリオン・トウキョウ2021」は知られざる日本文化の魅力を世界に伝えるプロジェクトで、観客はマップを片手に街を散策しながらパビリオンを巡ることができます。(一部事前予約が必要)
展示されるのは…藤森照信さん、妹島和世さん、藤本壮介さん、平田晃久さん、石上純也さん、藤原徹平さん、会田誠さん、草間彌生さん、真鍋大度さん+ライゾマティクスが設計した9つのパビリオン。
壮々たる参加クリエイターのパビリオンがほぼ無料で観覧できるというから驚きです!
水玉で「消滅」していく部屋へ
9つのパビリオンの中でも注目の、草間彌生さん『オブリタレーションルーム』があるのは、渋谷区役所の第二美竹分庁舎内。インターネットからの事前予約制で入場者数に制限を設けています。
会場内には真っ白な部屋が設置され、参加者は靴を脱いで中へと入っていきます。一度に入るのは同じ時間枠で予約した人のみ。
『オブリタレーションルーム』は、床、壁、家具、すべてが真っ白に塗られた部屋に、鑑賞者がカラフルな丸いシールを貼っていく参加型のインスタレーションです。
ダイニング、リビング、和室の3つに別れた部屋は会期を通して水玉で埋め尽くされ、次第に部屋が水玉のなかに「消滅=オブリタレーション」していきます。
360°view|360°で楽しめます↓
スタッフの方に聞くと、スタート時はシールもゼロの状態で本当に「真っ白の部屋」だったとか!
『オブリタレーションルーム』は日々変化していくアートなので「増えていく水玉を何度でも観にきて欲しい」とのこと。
草間彌生さんの「オブリタレーション」
「オブリタレーション(自己消滅)」とは、草間彌生さんにとって1960年代からの長年のテーマだそうです。
水玉が身体や空間を覆うことで「自身の身体も他者もすべてが水玉の中に消滅する」としています。
オブリタレーション(自己消滅)について、草間彌生さんは『無限の網-草間彌生自伝』の中で次のように語っています。
「たとえば、身体じゅうに水玉をつける。それから、バックもすべて水玉模様にしてしまう。それがセルフ・オブリタレーション(自己消滅)。あるいは、馬に水玉をいっぱいつけて、バックも水玉にすると、馬のフォルムが消えて水玉と同化してしまう。馬の塊が永遠なものに同化していく。そうすると、私自身もオブリタレイトする。」
草間彌生『無限の網-草間彌生自伝』2012年
つまりこの『オブリタレーションルーム』は「消滅して永遠なものに同化していく過程」を展示している…ということに。
その中に身を置く自分もまた「消滅する一部」なのかと思うと…ちょっぴり新しい自分に生まれ変われそうな予感です!
何度も訪れたいパビリオン
シブきちが『オブリタレーションルーム』を訪れたのは開催から10日あまりが過ぎた頃。
部屋にはすでに無数の丸いシールが貼られ、真っ白な部屋の中に、カラフルな水玉が浮き上がってくるようでした。
これでまだ開催10日あまり!9月の会期の後半には『オブリタレーションルーム』はどうなっているのか…水玉に埋め尽くされる部屋が気になって、何度でも訪れたいパビリオンです。
立つ位置で部屋の表情が変わるので飽きることなく、持ち時間の20分はあっという間。
よくよく見るとシールで足跡ができていたり、顔みたいな模様ができていたり、きちんと並んでいたり…参加者も楽しみながら作品が成長していく感じがほのぼのします。
360°view|360°で楽しめます↓
シールをペタペタ貼るのでお子さまにもオススメ。真っ白な部屋や家具を眺めるのも面白い…無心で水玉の空間に身を置くのも不思議な感覚です。
疲れたらたまに訪れて『オブリタレーションルーム』で「自己消滅」するのもイイですね!
久我山のインスタレーションも感動です!
2010年3月に井の頭線の久我山駅構内で展示された「久我山桜」。
「おめでとう」のメーセージを綴った850輪の桜が壁一面に咲く…感動のインスタレーション作品の軌跡はこちら!
>>>【卒業おめでとう】井の頭線・久我山駅で胸アツな「久我山桜」が咲いています!
「オブリタレーションルーム」の概要
会場 | 渋谷区役所 第二美竹分庁舎 東京都渋谷区渋谷1-18-21 |
会期 | 2021年7月1日(木)〜9月5日(日) |
MAP | |
アクセス | ・「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩7分 ・東京メトロ「渋谷駅」B1出口より徒歩2分 ・渋谷ハチ公バス「美竹の丘」より徒歩1分、「宮下公園前」より徒歩2分 |
鑑賞時間 | 10:00〜18:00 ※1枠20分毎の入れ替え制 |
入場料 | 無料 |
事前予約 | 入場には事前予約が必要(詳細はこちら) |
HP | パビリオン・トウキョウ2021 公式HP |
パビリオン・トウキョウ 2021 公式Twitter |
スタッフさんによると、休日はどの時間帯も来場者が多いですが平日はわりと空いているそう。
草間彌生さんの「オブリタレーションルーム」をじっくり楽しみたいなら平日が狙い目です。
これからどんな変化を見られるのか楽しみな「オブリタレーションルーム」。また行ってみたいと思います!
それでは今回はこのへんで。ご覧いただきありがとうございました!