渋谷駅南側・桜丘再開発エリアに2024年夏、大型複合施設「Shibuya Sakura Stage(シブヤサクラステージ)」が開業予定です。地上39階のSHIBUYAタワーや地上30階のSAKURAタワーを擁する2街区では、公共エリア・商業フロア・オフィス・住居フロアなど様々な施設がオープンします。
同施設周辺では国道246号を越えて渋谷駅新改札を開設。空中デッキが拡大整備され、地上と空中デッキをつなぐ新アーバンコアも登場します。これにより、246号によって分断されていた桜丘エリアへのアクセスは向上。渋谷駅周辺の回遊性が飛躍的に高まります。
渋谷桜丘に複合施設 Shibuya Sakura Stageが誕生
渋谷きっての桜の名所・さくら坂のある桜丘エリア。渋谷駅の南側に位置していますが、国道246号によって渋谷駅側と分断されアクセスはやや不便…。そんな桜丘エリアではかねてより再開発工事「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」が進行中で、渋谷駅から南の空を仰ぐと建設中の新高層ビル「SHIBUYAタワー」がすでに完成形だったりします。
▲年末の渋谷ビル群。窓から「2022」のライトアップが見えるのがSHIBUYAタワー
開発を進める東急不動産では2月9日、桜丘エリア再開発の施設名称を「Shibuya Sakura Stage(シブヤサクラステージ)」と発表。これにともない施設概要や開発プロジェクトの詳細も明らかになりました。
▲Shibuya Sakura Stageのロゴデザイン
▲Shibuya Sakura Stageの外観イメージ
再開発エリアに対して“施設名称”というのはいささか違和感があるかもしれません…。でも間違いではないんです。なぜなら桜丘エリアに誕生する「Shibuya Sakura Stage」は渋谷最大級の大型複合施設なのですから。
2街区に2棟の高層ビル、地上5階の巨大商業ゾーン
Shibuya Sakura Stageは主に「SHIBUYAサイド(A 街区)」と「SAKURAサイド(B街区)」の2街区で構成され、これに日本基督教団 中渋谷教会がC街区として連なります。
▲Shibuya Sakura Stageの地区断面図。写真左が渋谷駅方面
A街区のSHIBUYAサイドには地上39階・高さ約179mのSHIBUYAタワー、地上17階のセントラルビルが建つ予定で、商業フロア、オフィスフロア、駐車場などを整備予定。2棟は地下4階から地上6階あたりまでがつながっています。
▲Shibuya Sakura Stageの地区平面図
B街区のSAKURAサイドには地上30階・地下1階のSAKURAタワーが建つ予定で、商業フロアとオフィスフロア、渋谷駅中心地区で唯一の住宅(マンション)、駐車場などを整備予定。別に先端棟としてSAKURAテラスも建設予定です。
▲空中デッキで接続するShibuya Sakura StageのA街区とB街区。間を抜けるのは都市計画道路
SHIBUYAサイドとSAKURAサイドは歩行者デッキでつながり、2街区の地上5階くらいまでが巨大商業ゾーンとなる見込みです。
渋谷駅新改札の開設、駅周辺の回遊性向上
Shibuya Sakura Stageの開業にともない、渋谷駅南側・桜丘エリア周辺の回遊性も飛躍的に向上します。
▲JR渋谷駅の新改札口とSHIBUYAサイドを結ぶ北自由通路(仮称)
▲国道246号を横断する渋谷駅西口歩道橋デッキ
桜丘エリアでは、渋谷駅南側に246号を越えたJR新改札口を開設予定。Shibuya Sakura Stageプロジェクトでは、新改札口からSHIBUYAサイドを結ぶ空中デッキ・北自由通路(仮称)を新たに整備予定です。すでに246号を横断している渋谷駅西口歩道橋デッキと併せ東西・南北方向の回遊性を構築、桜丘エリアを含む渋谷駅周辺のアクセス・安全性の向上を目指します。
▲周辺地区と連携した縦軸動線・アーバンコア
地上ではA街区とB街区の間に都市計画道路(補助線街路第18号線)を整備。さらに、地上と地下を結ぶ縦軸導線〈アーバン・コア〉も新整備されます。空中・地上・地下の多層で歩行者ネットワークが強化されることで、駅周辺全体の回遊性向上を実現させ、さらには代官山や恵比寿など周辺エリアへの接続を実現していきます。
渋谷駅南側に2つのアーバンコア
Shibuya Sakura Stageの東側に位置する渋谷ストリームにも、渋谷駅西口歩道橋デッキと施設地上広場を結ぶアーバンコアがあります。ここはエスカレーターファン必見のフォトスポット。
▲渋谷ストリームのアーバンコア
さらに、Shibuya Sakura Stageに新設されるということで、渋谷駅南側には近くに2つもアーバンコアが存在することに。アーバンコア好きにはかなり気になるトピックスですね。
Shibuya Sakura Stageの施設詳細
Shibuya Sakura Stageは「働・遊・住」を兼ね備えた大型複合施設。さらに、グローバルな都市のあり方を見据えた都市機能もふんだんに盛り込まれています。
商業施設
▲商業施設イメージ
最先端のトレンドやカルチャーを創出・情報発信を担う商業施設は約15,200㎡の店舗面積を有し、多種多様なテナントが出店予定。情報発信の拠点「イベントスペース」と「デジタルサイネージ」、様々なコミュニティが生まれるメインステージ「にぎわいSTAGE」や、安らぎを感じられる緑豊かな「はぐくみSTAGE」など、それぞれの目的に合ったスペースも整備します。
▲フロウプラトウが空間演出を担当するにぎわいSTAGE
にぎわいSTAGEでは有名クリエイティブ集団・ライゾマティクスから派生した「フロウプラトウ」が空間演出を担当。人流や気象データなどを活用した演出で365日異なる空間を創出します。オリジナル小型照明約1200個を立体的に配置し、音響と照明を連動させた空間演出に乞うご期待です。
オフィス
▲オフィスフロア イメージ
渋谷の中心に誕生する開放感のある大規模オフィスは、SHIBUYAタワー、セントラルビル、SAKURAタワーの3つのオフィス棟で構成。大規模企業からスタートアップ企業まで、様々な規模の企業がフレキシブルに入居可能。洗練された空間がオフィスワーカーのクリエイティブな発想を促します。
住宅
▲住宅フロア・ブランズ渋谷桜丘のエントランスイメージ
渋谷駅中心地区で唯一整備される住宅として「ブランズ渋谷桜丘」155邸が誕生。屋上部分の太陽光パネルによる共用部電灯分の一部発電など、サステナブルな「環境先進マンション」になる予定。有機的なディテールのエントランスホールが印象的です。
サービスアパートメント
▲サービスアパートメント イメージ
「ハイアット ハウス 東京 渋谷」は中長期滞在者や外国人ビジネスパーソンなどの多様なニーズに合わせて、仕事もプライベートもどちらの時間も充実させ、高い満足度で快適な滞在を提供します。126室の客室にはキッチンや洗濯乾燥機を完備。ロビーエリアのラウンジ&バーでは滞在者同士の交流の場を創出。「渋谷で住むように滞在する」ような環境と体験を提供します。
子育て支援施設
▲キャピタル東京インターナショナルスクール幼稚園 イメージ
「CTIS Kindergarten, Shibuya」は、オフィスワーカーのほか、中長期滞在のビジネス層や周辺居住者に向けた、2~5歳の未就学児を抱える世代の子育てを支援する施設。南麻布でインターナショナルスクールを運営するCTIS(キャピタル東京インターナショナルスクール)が運営。日本語、英語、中国語などに対応し、最大124人の生徒の受け入れを想定しています。
起業支援施設
▲起業支援施設イメージ
トップフロア(38階)に、スタートアップ企業等の発表会等を開催できるバンケットルームや商談に最適なプライベートルームなど、上質なカンファレンス空間に「食」のおもてなしを加えた起業支援施設を整備。7階にはワークスペースや各種手続きの支援を行う会員制シェアオフィス「Business-Airport」が入居予定です。
国際医療施設
外国人も含めたビジネスパーソンの健康を支えるため、プログラム医療機器等の先端医療技術を活用した健康管理スペースと、多言語対応可能な診療クリニックを併設した国際医療施設を整備します。
桜の名所・さくら坂はどうなるの?
毎年桜の季節になると多く人が花見に訪れる名所・さくら坂。ここは桜丘エリアの名スポットですが、地図を確認したところShibuya Sakura Stageのエリアには含まれていない模様。
▲さくら坂下から見上げるサクラステージのサクラタワー。後ろには渋谷スクランブルスクエア
▲さくら坂の桜ライトアップ。坂の下はA街区・SHIBUYAサイドのオープン予定地
ちょうどA街区・SHIBUYAサイドの南へと伸びる位置になるのですが、別の再開発計画が始動するまでは現状のままのようです。
▲さくら坂沿いのサウナ施設・渋谷サウナス
さくら坂沿いに昨年オープンした話題のサウナ施設「渋谷サウナス」も、新たな再開発計画がスタートするまでの暫定施設。今のところ渋谷サウナスに動きはなく、今年もさくら坂の桜ライトアップは開催されています。
▲施設コンセプトでは桜を前面に打ち出し(特設サイトより)
Shibuya Sakura Stageの特設サイトを見ると、コンセプトワークがかなり〈桜推し〉なので、個人的にはさくら坂の桜並木がなくなることはないのかな、と勝手に安心しています…w
コンセプトや施設概要など、Shibuya Sakura Stageの詳細は特設サイトをチェックしてみてください。
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Shibuya Sakura Stage|施設概要
事業名称 | 渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業 |
所在地 | 東京都渋谷区桜丘町123番ほか |
MAP | |
施工面積 | 約2.6ha |
竣工 | 2023年11月30日(予定) |
HP | 特設サイト |