渋谷駅(JR・京王井の頭線ほか)から徒歩約7分。大型複合文化施設「Bunkamura」に、高さ30メートル級の巨大ウォールアート《FFIGURATI (フィグラーティ)#652》が出現しています。隣接していた東急百貨店本店の解体であらわになったBunkamuraの外壁。そこに描かれた大迫力の作品を現地で見上げてきました。
Bunkamuraの巨大壁画を見上げる
すっかり解体されてしまった旧渋谷東急本店。ここを通るたびに気になっていた巨大アート…。実際に間近で見ると、その大きさに圧倒されます。

白と黒のうねるようなラインが外壁の右下から左上へ。そしてそのまま空へと抜けていくようなレイアウト。天に昇る竜のようなアートはいったい…?
大山エンリコイサムさんの《FFIGURATI #652》
この壁画は、2025年3月のアートプログラム「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験2025」(渋谷ファッションウィーク2025春との共催)の屋外展示として制作された《FFIGURATI (フィグラーティ)#652》という作品。

手がけたのは、ニューヨークと東京にスタジオを構える美術家・大山エンリコイサム(@enricoisamuoyama)さん。コム デ ギャルソン、シュウ ウエムラ、JINS、アウディといったブランドとのコラボレーションで知られ、2022年1月の大相撲初場所では、横綱・照ノ富士関の化粧まわしのアートワークも手がけたアーティストです。
大山さんの作品の出発点は、ニューヨークの地下鉄や街の壁を埋めつくしていたグラフィティアート。スプレー缶で描かれるグラフィティの文字をいったん解体し、読ませるための意味を取り払って、スプレー缶を素早く走らせたときの線の勢いだけを残して作品として表現しているそう。
渋谷東急本店の解体であらわになったBunkamuraの外壁は凹凸だらけでしたが、その一部に右下から左上へ向かうリズムを感じ取った大山さんは、線をそのリズムに沿わせ、最後は空へ抜けていくレイアウトにしたといいます。見た人がそのまま視線を上げ、ひととき空を眺めてくれたら…。そんな思いが込められた作品です。
描かれたのはBunkamura東側の2面の外壁で、延べ縦33メートル×横23メートル。制作は複数人でゴンドラに乗り込み、刷毛と油性ペンキで直接描くという、ご本人にとっても初めての方法で行われました。会期後もそのまま残されていますが、新ビルの建設が進むにつれて次第に見えなくなっていく予定とのこと。
右側の外壁にはダクト萌え
そして工業美ファンとして見逃せないのが壁画の右側。こちらも同じBunkamuraの棟で、あらわになった外壁には太い配管とダクト群がびっしりと露出しています。
うねる配管、整然と並ぶルーバー、天へ伸びる煙突。吉祥寺のダクト萌えスポットとはまた違う、垂直方向にそびえるインダストリアル美…。
工事仮囲いもフォトパネルが
渋谷東急本店跡地を囲う工事仮囲いは、2026年7月に始まったアートプロジェクト「渋谷松濤ウォールギャラリー」の第1弾で、写真家・川内倫子さんがこのエリアを撮り下ろした作品。

夕暮れの淡い光をとらえた写真が歩道を華やかに彩っていました。展示は2027年9月30日までの予定。
2029年に複合施設・渋谷アッパープロジェクト竣工予定
2023年1月に営業を終えた東急百貨店本店の跡地では、地上34階の複合施設「Shibuya Upper West Project」の建設が進行中(2029年度竣工予定)。Bunkamuraも大規模改修のため長期休館中です。
歩道からそのまま見上げられるので、通りがかりにぜひ首を上に向けてみてください。



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