かつて京王井の頭線を走り、その後は北陸鉄道でも活躍した通勤車両「京王3000系3701号」が、いま解体の危機に瀕しています。現在、首都圏での保存を目指して有志によるクラウドファンディングが進行中です。
北陸鉄道の元井の頭線3000系が解体の危機
京王3000系は1962年〜2011年に井の頭線を走っていた車両。現在走っている京王1000系車両と代替わりするかたちで約49年間の運行を終えました。

ステンレス製の車体に前面部分はプラスチック製パーツを使った、当時としては珍しいデザインで「ステンプラカー」とも呼ばれていたそう。引退後に一部の3000系車両は北陸鉄道に譲渡され、前期型(狭幅車体・片開きドア)は「8000系」として浅野川線、後期型(広幅車体・両開きドア)は「7700系」として石川線を再び運行していました。
3000系のトップナンバー・3701号
その後、北陸鉄道8000系も順次役目を終え2025年5月に最後の8811号が引退。この8811号こそが、3000系前期型の中で最初に製造されたトップナンバー「3701号」にあたります。(7700系は運用中)
3701号は北陸鉄道に譲渡された3000系前期型(8000系)で現存する最後の1両。現在は解体直前の状態ですが、関係者との協議により一時的に解体が延期されている状態です。
金沢から茨城県「首都圏電車区」へ3701号を輸送、修復と保存へ
現在、3000系3701号を首都圏に戻して保存するためのクラウドファンディングが進行中です。

プロジェクトを運営するのは、鉄道車両の保存活動を行う一般社団法人CARB。目標は、金沢から茨城県土浦市にある鉄道保存施設「首都圏電車区」まで3701号を運び、保存と修復を行うことです。
大型クレーンや特殊トレーラーを用いた大がかりな運送を含め、募集する支援金は880万1000円。クラウドファンディングが成功すれば、3000系3701号は約29年ぶりに首都圏へ戻ることになります。
クラウドファンディングを実施中
2025年6月に開始されたクラウドファンディングはAll-or-Nothing形式。期限の7月31日までに目標額に達しなければ、プロジェクトは実施されず支援金は返金されます。

支援者への返礼として、オリジナルグッズや記念品進呈のほか、車内見察や清掃体験、運転台見学などさまざまなアクティビティも用意されています。
車両の側面や窓への名前掲出といった記念性の高いプランも。鉄道ファンはもちろん、鉄道ファンはもちろん、京王3000系に思い出のある方は、このクラウドファンディングをぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
クラファンページ|解体目前の京王井の頭線3000系を再び首都圏へ。北陸発・帰還の旅(一般社団法人CARB ステンプラカー保存会)
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